sirousagiのブログ

オーバー・ザ・レインボーを目指して

スクールバス

記憶に残る風景が変わっていく
時間がかなり経ってから気づく。


静かに少しづつ変わってる時には気づかないが
ある日
ドキッとする。
いつの間にこんなに変わってしまったのか。
失われた時間は戻らない


石畳の広い通りが真っ直ぐに伸びている
その広い石畳通りと交差する道は砂利道だ
そして
広い通りは米軍基地へと続く
毎朝
黄色いバスにアメリカ人の子供が大勢乗って行く
子供心に
あのバスは何処に行くのか不思議だった。


銃を持った兵士が立ち
大きな開閉するフェンスにoff-limitsの看板が有る。
1番最初に覚えた英語だった。
もちろん子供といえどもやたら中には入れない。
黄色いバスに乗って行かない小さな子供達が
塀の中側で遊ぶ 
外側には私達
チラチラお互いを気にしながら遊ぶ


ある日
フェンスが開かれ黄色いバスが中へ入っていった
小さな子供達がバスに駆け寄っていく
中から大きな子供達が降りて
小さな子供達と話してる。


大きな子供が中に入れと手招きする
モジモジしてると
いつも塀の近くで遊んでいた金髪の子が門まで迎えにきた


中は匂いも色まで違う
芝生が青々として
白と緑のペンキで塗られた家が並ぶ


大きい子が家の中から玉ねぎを持って来て
アニオン、アニオンと何回も言う
一緒にアニオンと言うと
ニッコリ笑いかけて来た
バスを指差して、スクールというが意味がわからない。
子供達は黄色いバスが帰って来ると
いつも塀の中で遊んだ。


ある日を境にバスは来なくなり、みんないなくなった。
最後の日
アメリカ人の母親手作りのチョコチップクッキー🍪を
子供達は
芝生に座り無言で食べる
あの時の芝生は立派な道路に今はなっている。